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  • 総合
2018.04.01
PC-88VAのOS「PC-Engine」が30年ぶりに更新 4月1日より提供開始
内容をv1.15に更新済みのシステムディスク

 NEGパーソナルコンピュータは1日、同社が1980年代に製造販売したパソコン「PC-88VAシリーズ」向けのOS「PC-Engine v1.15」をリリースしたと発表した。 同OSはv1.1が1988年にリリースされて以来、実に30年ぶりの更新となる。製造を終了した製品も長期間サポートする姿勢をアピールすることで、現在販売中のLVAIEシリーズの販売をてこ入れする狙いがあると見られる。

 利用者は、旧バージョンのシステムディスクを秋葉原旧ラジオ会館7FのBif-INN東京に持ち込むことで、無償でv1.15への書き換えを受けられる。 なお、同社によると、装置の老朽化のためいつまで書き換えを実施できるかははっきりしないとしており、希望者はできるだけ早く更新するよう呼びかけている。

 v1.15はPC-Engineのほか、同OS上で動作するN88-日本語BASIC V3も機能強化が図られ、同V3.15となっている。両者の強化内容は次のとおり。

PC-Engineの強化
  • 動画の録画・再生を行う MOVREC、MOVPLAYコマンド: 別売のビデオボードを用いてビデオ入力された映像を動画ファイルとして保存する。保存先は拡張RAMのほか、ハードディスクに保存できる。 再生時と録画時で異なるレートを指定でき、タイムラプスのような効果も楽しめるという。 保存可能な長さは640x200ドット65536色モードで最大128コマ(拡張メモリ32Mバイト増設時)または300コマ(80Mバイトハードディスク利用時)。 動画フォーマットは無圧縮の独自型式で、WindowsやMacなどでは再生できない。 なお、ハードディスク利用時は動画専用にフォーマットされるため、他の用途には利用できなくなる。
  • 内蔵テキストエディタの強化: 複数のファイルの同時編集に対応したほか、「ポップアップ便利帳」と同様、PC-EngineやBASICの画面からPCキーで起動できるようになった。
  • Unicodeへの対応: バッチファイル、TYPEコマンド、内蔵テキストエディタなどでUTF-8、UTF-16のテキストファイルが扱えるようになった。
  • 起動時機能の選択:拡張機能は起動時にメインメモリに読み込まれるため、利用可能なメモリが従来より減少する。 このため、必要な機能をシステムディスク作成時に指定してシステムによるメモリ使用量を必要最低限に抑えられるよう、SYSコマンドの機能が拡張された。 なお、すべての機能を利用する場合、利用可能メモリは200Kバイト程度になるとのこと(VA2/3で標準搭載メモリの場合)。
また、内部的にはMS-DOSと同様のネットワークドライブ用システムコールが用意され、将来的にネットワークドライブのほかCD-ROM等への対応も可能になるという。ただし、CD-ROMやLANボードなどの提供計画は現時点ではないとのこと。
N88-日本語BASIC V3の強化
  • ダイアログウィンドウを描画・制御するDIALOG命令: GUIの作成を支援するもので、グラフィック画面にメッセージとOK、キャンセルなどのボタンを描画し、各ボタンがクリックされたときにON DIALOG GOSUBで宣言したサブルーチンを呼び出すことができる。
  • ジョイスティックの状態を取得するSTICK関数: N60-BASICの同名の関数を拡張したもので、A/Bボタンの状態も取得できるほか、「プロ野球ファミリースタジアム ペナントレース版」向けに発売されたデュアルジョイポートもサポートしている。
  • スプライトパターンメモリの拡張: TVRAM 256KバイトモードがBIOSでサポートされ、PC-88VA2/3で拡張された192Kバイト分のTVRAMを含めスプライトパターンとして利用できるようになった。
  • 構造体を定義するDEF STRUC命令: FIELD文と類似の方法で構造体のメンバーを定義すると、指定した文字で始まる変数は構造体として扱われるようになる。構造体のメンバーには@演算子を使ってMYMEMBER$@MYSTRUCのようにアクセスできる。配列にも構造体が利用できる。
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